グレーな空にシトシトと降り続く雨で気分も沈みがちな梅雨は、人間や動物が不調をきたしやすい時期。
高い湿気を不快に感じているのは生き物だけでなく、雨風から日々の暮らしを守ってくれる住宅も一緒です。
とりわけ木造住宅の場合、風通しの悪い床下や土台の木材が湿気を吸収し、様々な害虫を寄せ付けることになります。
とりわけ、枯れ木や地表に穴を掘って暮らし、濡れた落ち葉や腐敗した木材を大好物とするシロアリにとっては絶好の隠れ家に。
シロアリに家の基礎が食い荒らされてしまうと、住宅の倒壊を引き起こしたり、建て替え等のメンテナンスに追われることになります。
最悪の事態を避けるには、予防が一番。
本格的な梅雨が始まる前に、是非ともシロアリ対策を行っておきたいものです。
梅雨のシロアリを防止するには、まずは普段から家の周囲を見回り、異常がないかどうかを点検します。
シロアリは集団で飛来し、くびれのない胴体に、落ちやすく体の倍はある長い羽が特徴的です。
5月頃の、高温で蒸し暑く無風の雨上がりなどのタイミングは、盛んに動き回るので発見しやすくなります。
床下に近い木材が腐敗し無数の穴が開いていないか・直射日光を避けるため土を盛って作られたシロアリの通り道である蟻道(ぎどう)や、巣となっている蟻塚らしきものが出来ていないかも、重要なチェックポイントです。
また、シロアリのエサとなる朽ちた植物や古い木材が庭に放置されているのはNG。
きれいに片付けて、シロアリの大発生を招かないようにしましょう。
シロアリに侵食されてしまっていると感じたら、自己流で薬剤を散布しても根本的な解決が難しいケースも多々あり、早めに専門業者に相談するのが得策です。
ゴキブリは梅雨の対策で夏の大量発生を防げる!知っておくべき事は?
コードネームはG、床の隅に鈍く光る暗黒の正体と言えば、人類の敵といっても過言ではないゴキブリ。
逃げ足が早く姿を消したかと思えば、こちらに向かって急襲飛来をしかける憎々しい害虫です。
かつては熱帯雨林に生息し、2億5千年もの間サバイバルしてきた驚異の生命力を誇る雑食性の昆虫で、夜になるとエサを求めて活動を開始します。
高温多湿の環境に慣れているため、梅雨明けの7・8月が繁殖期で大量発生する恐れが。
そんなホラーを阻止するためには、梅雨時の対策がカギを握ります。
重要なのは、侵入経路を断ち、ゴキブリが快適に過ごせてしまう環境を与えないことです。
特に、排水溝や通気口はゴキブリにとって絶好の抜け道なので、蓋をする・フィルターを被せる等の対処がおススメです。
同時に、ゴキブリが好む生ごみや、食べ残しで汚れた食器をシンクにひと晩置きっぱなしにする等の不衛生な習慣は改め、清潔な環境を保ちましょう。
台所と同じくらいキレイに保つべきなのが、浴室やトイレ。
ジメジメとして、毛髪や垢などゴキブリの好む要素が揃うため、常にクリーンな状態にしておくと安心です。
高温で暗所に潜んでいることの多いゴキブリは、冷蔵庫やテレビ、パソコンの裏側、ガスコンロの下などに食べ物のくずやゴミが溜まっていると、引き寄せられます。
常に掃除を欠かさないようにして、ゴキブリの心地良い環境を根絶しましょう。
ゴキブリとの出会いはいつも突然。
対決の武器は新聞紙、それとも定番のスリッパでしょうか?
ゴキブリは視力が弱い代わりに、空気の流れを敏感に感じ取るため素早く動けます。
また、肺呼吸せず気門と呼ばれる穴から呼吸をしているため、効率良く仕留めるなら古典的な方法よりも、殺虫剤が最も効果的です。
ダニは梅雨になる前に対策を!退治・予防法で本当に効果があるもの!
住環境を不快にする害虫は、目に見えるシロアリやゴキブリだけに限らず、微小なダニも皮膚の痒みやアレルギーを引き起こす厄介な存在です。
梅雨の時期は、悪天候が続くため部屋の換気や寝具の洗濯・天日干しなどが思うように出来ません。
ダニは、人間のフケや垢、埃をエサとして繁殖し、たった1gのエサで300匹ものダニが生存できるとのこと。
一見すると整った室内であっても、アレルギーを起こすチリダニに加え、梅雨に増えるコナダニや皮膚を刺すツメダニなど数種類のダニの宝庫となっています。
20~30度の高温と湿度60~80度という、まさに梅雨真っ盛りの環境を好むダニの爆発的な繁殖を抑えるには、梅雨入り前の対策が必要不可欠です。
梅雨に向けたダニ対策の基本は、こまめな掃除と換気を行い、ダニの発生源を減らすこと。
掃除機で埃やチリを取り除き、フローリングの床は水拭きして、ダニの死骸も完全に除去します。
カーペット同様、寝具にもクリーナーを使って細かなチリやゴミを吸引。
汗を含んだ寝具は定期的に乾かし、部屋の空気も入れ替えて湿度を下げる工夫を心掛けましょう。
敵が目に見えないダニだけに、対応策の効果のほどは明確に分かりません。
だからこそ、最終兵器としてダニ駆除剤をフル活用して、一網打尽のダニ退治を行うのも最適です。
寝具やソファに直接噴射できるスプレータイプや、置くだけでダニを捕まえる粘着シート等、幅広い用途に合わせて使える駆除剤が入手できますが、一気にくん煙を行き渡らせて部屋中のダニ退治ができる駆除剤が最も手軽です。
ダニを駆除したすっきりとした部屋なら、梅雨の不快度も最小にできます。
まとめ
晴れやかな夏が待ち遠しい梅雨のシーズン。
人間の気分は落ち込みがちですが、嬉々として梅雨を迎えるのが住居にまつわる害虫達です。
木造住宅の土台を食い荒らすシロアリは、些細な被害が住居に甚大な影響を与えかねません。
高温多湿を好むシロアリの活動が活発になる梅雨入り前に、自宅の土台を見回って、異常の早期発見に努めましょう。
家庭の害虫では最も嫌われるゴキブリも、高温多湿に強く、注意しなければ梅雨明けに繁殖期を迎えます。
ゴキブリの居心地が良くなるような環境は改善し、衛生的な住空間を保つことが重要です。
目に見えないのが厄介なダニも、対策を講じなければ梅雨の時期は高い湿気で大繁殖してしまいます。
梅雨入り前から、こまめな除湿や清掃を強化し、最終手段としてくん煙剤などを活用して駆除しておくと安心です。
害虫それぞれに見合った梅雨の対策で、憂鬱な梅雨を少しでも快適に過ごしましょう!