苫小牧の夏は涼しい?やっぱり海からの風があるから!?

苫小牧 夏 涼しい

今年こそは憧れのノマドライフを北海道で実現したいと、密かな野望を抱いている家族は意外と多いかもしれません。

今や北海道は移住先ランキングでも上位の常連。

豊かな自然に恵まれた環境で伸び伸びと子どもを育て、テレワークでライフワークバランスの取れた日々を送る理想の暮らしには、道内の居住エリアの選択が重要となります。

東京都の約40倍、九州と四国を足した面積よりも広く、スケールの大きな北海道は、四季折々の気象条件が地域によって大きく違ってきます。

北国に移住するメリットは、夏の過ごしやすさにあります。

道内でも涼しい場所として定評があるのが、道央の胆振地区にある太平洋沿岸の一帯です。

なかでも札幌から南へ60kmに位置する苫小牧は、本州へのフェリーが発着する港が整備され、空の玄関である千歳空港へも車で20分と交通アクセスも良く、移住先としては最適な街の1つです。

苫小牧市役所のまとめによると、7~8月の平均気温は17.7~20.3度、平均最高気温も20.4~23度で、最高気温が25度を越える日は滅多にない例外とのこと。

清涼感あふれる夏が過ごせます。

春から初夏にかけて朝晩は苫小牧名物の霧に覆われる日が多くあります。

海霧は太平洋岸に沿って流れる冷たい親潮により、上空の湿った温かい季節風が冷やされて発生します。

霧により晴れの日や日照時間が減り、冷涼な環境に貢献していると言えます。

同時に、太平洋に面した苫小牧は典型的な海洋性気候であり、海からの南風がダイレクトに陸地に吹き込むため、風の強さでも有名です。

年間を通じた海風のおかげで、夏は体感温度が下がって爽やか、冬は少し底冷えする日もあるのが特徴です。

夏の涼しい苫小牧は、道内5番目に多い人口17万2千人が住む街で、モールなどの商業施設が揃っているので、生活には不自由しません。

国への認定申請の先送りが決定された、カジノリゾート誘致構想の行方でも注目を集める苫小牧は、道内の移住先としては有力な候補先です。

苫小牧の年間降雪量は?札幌の4分の1程度で過ごしやすい?!

苫小牧 年間降雪量

夏の涼しさに魅了され、俄然高まる苫小牧への引っ越し計画ですが、日本にはめぐる季節があり、苫小牧にも冬が訪れます。

夏は過ごしやすくても、冬が豪雪で極寒ではサバイバルできるか、自信がありません。

気になる苫小牧の年間降雪量は、気象庁が算出した1981年から30年間の平均値だと138cmで、想像よりもはるかに低い数値です。

道内の他地区の年間降雪量を見ると旭川で743cm、函館381cm、釧路162cmを記録し、大きな相違が見られます。

ちなみに東京は11cm、日本アルプスのそびえる長野では263cmで、北海道でありながら苫小牧の雪の少なさが際立ちます。

苫小牧に近い札幌では597cmというボリュームで、苫小牧に比べると4倍も多い降雪量です。

北海道の県庁所在地である札幌は、人口200万に迫る政令都市で、世界でも年間降雪量が5mを越えながら人口が100万人以上という都会は札幌だけです。

札幌の雪日数は年間平均126日であるのに対し、苫小牧では80日で3分の2程の日数に減ります。

つまり苫小牧は雪が降る日が少なく、降っても量が少ないということが分かります。

冬の間に積雪があっても一晩で最大20cmにも到達しないレベルです。

車が完全に埋まってしまうようなドカ雪も、1年に1度あるかないかという稀な現象となっています。

苫小牧を始めとして道央の胆振地区南部の太平洋沿いの町々は、北海道でも積雪が少ない地域です。

対比的に特別豪雪地帯は、日本海側の稚内や留萌、内陸の山地エリアにある名寄や滝川地区となっています。

近年は北海道でも温暖化の影響は避けられず、年間降雪量は全体で38%の減少、苫小牧を含めた太平洋側では48%と減り幅がより大きく、雪の減少傾向も続く見込みです。

苫小牧の雪は少ない?太平洋側なので道内でもとても少ない!?

苫小牧 雪 少ない

北海道の冬に抱くイメージは、降り積もる雪に囲まれた一面の銀世界。

そしてマイナス気温の凍てつく寒さ。

しかし広大な面積を誇る北海道は、冬の気象条件もエリアにより全く違う顔を見せ、ステレオタイプには当てはまりません。

苫小牧の冬気候の特色は、晴天の日が続いて日照時間が長く、少ない積雪量です。

最深積雪量も年間平均で28cm。

比較的雪の多い1~2月でも、月の降雪量の合計が平均39cmのみとなっています。

北海道で最も降雪の深い場所である、川上地方の幌加内町では、年間平均で1348cmの雪が降り、苫小牧の約10倍です。

苫小牧で雪が少ない理由は、太平洋に面した海岸線に位置するため、冬は日本海を北上する対馬暖流から分流し、津軽海峡を越えて太平洋側に流れ込む津軽暖流の影響を受け、温暖な気候であるためです。

北海道内でも、日本の最低気温記録である氷点下41度を1902年に樹立した旭川とは正反対の苫小牧では、1~2月でも平均気温は-3.4~-3.8度で、最低気温もマイナス10度を越えることはありません。

まれに大雪が降ることがあっても、乾燥した晴天が続く温和な陽気により、積もった雪もすぐに溶けてしまうことがほとんどです。

そのため冬の間は1日に何度も除雪車が通り、雪かきの必要のある札幌などとは違い、苫小牧では冬タイヤの装着を迷うほどの残雪しか見られません。

苫小牧では冬の北海道の風物詩とも言える屋根の雪下ろしもほとんどする必要がなく、冷たく長い冬も比較的快適に過ごせます。

冬のスポーツも苫小牧では、スキーよりもスケートやアイスホッケーが盛んで、氷都と呼ばれる所以です。

年間の平均気温も日本一有名な避暑地である軽井沢とほぼ同程度で、また“しばれる”寒さの日はそれほど多くありません。

まとめ

北海道へ移住して快適なノマドライフを実現するなら、居住エリアの選択が重要です。

太平洋に面した海岸線の街、苫小牧は夏が涼しく最適な新天地と言えます。

初夏に多く発生する海霧により日照時間が短く、海から吹き込む風で体感温度が下がり、クールな夏を過ごせます。

心配な冬の気候も、苫小牧の年間降雪量は138cmと札幌の4分の1程度という雪の少なさで、雪国にありがちな除雪作業に追われることも多くはありません。

苫小牧に雪が少ない理由は、日本海から太平洋に流れ込む暖流の影響や乾燥した晴天続きの天候により温暖であるためです。

気温も零下10度を越えることはなく、北海道ではマイルドな冬と言えます。

北海道への移住なら、夏は涼しく、冬は温暖で雪の少ない苫小牧を検討してみたいものです。