節分の方角は誰が決める?そもそも恵方ってなに?何のためにある?

節分 方角 誰が 決める

まだまだ寒い日が続きますが、お正月が終わると、まもなく節分。

毎年、真っ先に気になるのは、恵方と呼ばれるツキを呼び込む方角ではないでしょうか。

恵方は、中国に古来から伝わる様々な事象を占う術に起源を持ち、日本で発展した陰陽道(おんみょうどう)による思想です。

陰陽道によれば、方位を司る神の1つに歳徳神(としとくじん)が存在し、歳徳神が来臨する方角は特に縁起が良いと見なされて来ました。

歳徳神は主に女神の姿形で描写されますが、年老いた翁という説もあります。

何をするにも吉となる方向が恵方であり、歳徳神は恵方神としても知られますが、併せて、恵方を決定づけるもう一つの要素が、干支(えと)です。

干支は、丑(うし)や寅など12種類の動物に例えて各年を表現する「十二支」と、甲・乙・丙・丁で始まる10通りで暦を示す「十干」(じっかん)が合体したもの。

陰陽道では、この2つを組み合わせて60をひと回りとする周期チャートで、吉凶の方角や時間を導き出しています。

陰陽道の思想によれば、恵方神は年ごとにランダムな方角に出現するのではなく、その年の十干の方位により決まった方向に存在するとのこと。

十干は10通りしかなく、西暦末尾の数字である0~9の変移にぴったりとマッチするので、その年の西暦から十干が分かり、次いで恵方も明らかにできます。

しかも、恵方のバラエティは北北西・東北東・南南東・西南西の4通りのみです。

かつて恵方を知ることは、新年に歳徳神のいる方角にある寺社へ参詣する「恵方詣り」の慣習のために欠かせませんでした。

恵方詣りは江戸時代までは盛んであったようですが、次第に方角を気にしなくて良い初詣が主流となり、現代では恵方を向いて巻き寿司を食べる新たな文化が浸透しています。

節分の方角、今年はどの方向?毎年違うのはなぜ?どのように変わる?

節分 方角 今年

恵方と呼ばれ、その年に吉とされる方向を知ることは、節分の基本。

2021年の節分は2月2日(火曜日)で、恵方は南南東やや南です。

昨年の恵方は西南西でしたが、2022年は北北西となります。毎年変わる開運の方角ですが、その変動に規則性はあるのでしょうか?

2010~2020年の恵方を振り返ると、西南西→南南東→北北西→南南東→東北東→西南西→南南東→北北西→南南東→東北東→西南西、でした。

西暦の末尾0を起点とすると、5年周期で、西南西→南南東→北北西→南南東→東北東の順番で、4方位の恵方を循環していることが分かります。

年により節分の吉方角が変わるのは、干支(えと)を基にして決められているためです。

干支は、動物でお馴染みの十二支と、古くは優劣の表記にも使われた十干から成る60周期の循環。

干支が60年でひと回りし、生まれ年の干支に再び戻る、還暦と呼ばれる区切りもここから来ています。

尚、節分の方角を表現する時に、やや北・やや東・やや南・やや西という補足があるのは、地上で風向きや方向を測定する時に用いられる方位と、恵方を算出する方法が異なるためです。

コンパスでも使われる方位は16方位が基本であるのに対して、恵方を決める方位は干支に中国の易占いで分類された八卦(はっけ)の要素を加えた24方位がベースになっています。

そのため、厳密に言えば16方位による節分の方角に向いた時に、やや右寄りの方向に位置するのが恵方です。

便宜上、南南東・北北西などと16方位で単純明快に示されることが多いですが、節分の吉方角の変動ルールと共に覚えておくと役に立つかもしれません。

節分の本当の意味を知っている人は少ない?鬼はなんで外に出される?

節分 本当 の 意味

2月の恒例行事である節分。取り合えず豆まきをして、恵方巻を食べておけば安心と、節分の本当の意味を知らず、形から入る人も多いことでしょう。

どうして2月なのか、なぜ豆まきをするのか、鬼が来る理由など、節分にまつわる独特の風習には疑問がつきもの。節分のイロハを知り、さらに福を招きたいものです。

節分とは、季節の分岐点を意味し、端的には立春の前日を指します。

立春は、現行のカレンダー(暦)が採用される前に、古くから使われていた旧暦における春の気配を感じる頃で、毎年2月の3~5日です。

春は、植物や生物の芽生えのシーズンで、米作りの農業が生活の中心であったひと昔前の日本では最も重要な季節で、新年の始まりとして考えられていました。

言わば、現行の大晦日とお正月が、節分と立春だった訳です。

旧年の厄を払い、新しい1年を平穏に過ごせるように祈願する儀式は、今も続く節分として定着しました。

鬼を外に出すのは、中国から伝わった邪気払いの「追儺」(ついな)という行事にルーツがあります。

昔も今も、季節の変わり目は寒暖の差といった不安定な気象条件に慣れず、体調を崩しやすいので注意が必要な時期です。

病気や苦しみ、災難などの厄をもたらすのが鬼と考えられ、節分には邪気が具現化した鬼を追い払うことで、来たる新年の安寧を願いました。

鬼退治に欠かせない豆まきは、室町時代の頃に日本で始まった独自の習慣です。

豆は、日本人の食生活を支える主食の1つで、厄疫とは正反対の生命力の象徴であり、魔物である鬼の目をつぶす「魔目」と鬼を滅ぼす「魔滅」という言霊が込められています。

尚、豆まきに使われる豆は、縁起が良いとされる熱した煎り大豆(福豆)で、豆まきで邪気(鬼)を払ったら、数え年分を食べて無病息災を祈ります。

まとめ

2021年(令和3年)の節分は、2月2日の火曜日。

気になる恵方は、南南東やや南です。

恵方は、歳徳神が宿り、何事をするにも吉とされる方角で、陰陽道の思想に基づきます。

干支を形成する十干の方位により恵方が決まり、かつては恵方詣りのために活用されていました。

節分の吉方角は、4種類のみに限られ、5年周期で規則的な変移を繰り返しています。

恵方が毎年異なるのは、循環する干支がベースになっているためです。

季節の節目を意味する節分は、旧暦では新年と捉えられた立春を迎えるにあたり、邪気を持ち込む鬼を外に追い出し、無病息災を祈願する目的があります。