マイペースで頭脳トレーニングができるパズルゲームは、達成感や充実感が得られ、誰でも気軽に挑戦できる敷居の低さが魅力です。
とりわけワードサーチやクロスワードは、紙とペンで遊ぶパズルゲームの頂点として長らく親しまれてきました。
近年はパズルゲームの多様化が目覚ましく、ナンクロやナンプレといった次世代パズルが続々と登場し、新たなファンを増やしています。
パズルゲーム初心者にとっては、急速に拡大する類似ゲームのバラエティについていけず、ナンクロにナンプレと紛らわしい名称にも混乱する一方です。
ナンバークロスの略であるナンクロは、各マスに番号が付与され、同じ番号のマスには同じカタカナを入れ、意味をなす単語を作成して解決していくパズルです。
言わば、クロスワードパズルの変則バージョンであり、文字(カタカナである場合がほとんど)を書き込みます。
一方のナンプレは、ナンバープレイスの短縮名で、1~9の数字を縦・横・ブロックの指定エリアに配置するゲームです。
数独としてもおなじみで、あっという間にパズルゲームの殿堂入りを果たしています。
どちらのパズルも、その名称から数字(ナンバー)に関係したゲームであることは明白です。
しかし、ナンクロではマスに入るカタカナを見つけるためのヒントとして数字を活用するのに対し、ナンプレでは数字そのものが解答になるという大きな違いがあります。
また、両者では必要とされるテクニックも同じではありません。
ナンクロは言葉の交差(クロス)や、数字と文字の合致から単語を推測する語彙力が必要なのに対し、ナンプレには根拠と理由を明らかにする論理的思考力が欠かせません。
ナンクロとナンプレ、響きも似た名前ですが、前者は言葉探しのクロスワード、後者は数字の配置コンビネーションを解明するロジックパズルと、ゲーム内容は全く異なり、楽しみ方もそれぞれに違います。
ナンクロやり方は簡単?意味のある言葉に注意するだけ、ではない?!
ナンプレと似た名前を持つナンクロこと、ナンバークロス。
ナンプレと混同されやすいですが、クロスワードパズルに近いゲームです。
白黒のマスで構成された図表の白マス部分に、ピッタリと当てはまる単語を見つけ出していきます。
クロスワードと異なるのは、白いマスには番号が付与されていて、同じ番号のスペースには同じ文字を入れるルールがある点です。
また、単語の意味や文章例から答えが分かるようなヒント(カギ)もありませんが、欄外に数文字の解答が記載されているので、それらを手がかりにパズルをスタートできます。
当てはめる文字から出来る単語は、全て意味をなす言葉でなくてはいけません。
そのため、当てずっぽうで文字を決め、同じ数字の他マスを埋めていく方法はNGです。
意味のある言葉の並び順は、縦または横で、縦列であれば上から下に読み、横行であれば左から右へ読めるように作成されています。
ナンクロのやり方は簡単で、まず手がかりとして分かっている文字を、該当の数字が書かれた全てのマスに記入することがスタート地点です。
続いて、あと1文字で言葉が確定する部分に注目して、該当する文字を推測します。
推測する文字数が少ない方が、正解を思いつく可能性がより高まり、効率的です。
またこの時、1箇所だけに注目するのではなく、複数個所に目を向けると、想像する答えがより確実かどうかの裏付けが取れます。
1文字ずつ答えを明らかにする作業を繰り返し、全ての白マスを埋めたらゴールに到達です。
ナンクロの攻略には、語彙力の豊富さが決め手でもありますが、特徴的な数字の並び方に気がつくと、思いがけず答えが導かれる面白さもあります。
例えば、1212と数字が並んでいれば「うきうき」「どきどき」「いやいや」などの言葉が想像できるケースが、その典型です。
ロジックがカギとなるナンプレとは対照的に、ナンクロでは数字の並びから意味のある言葉をひらめく発想力が、難題突破のキーポイントと言えます。
ナンプレの意味は、ナンバープレイス=数字の場所を探す?!
1から9の数字を理詰めで空欄に当てはめていくだけというシンプルなパズルゲームなのに、隠れた奥深さに魅了され、始めると止まらなくなるナンプレ。
日本ではパズル雑誌出版社の二コリによる商標登録のため、世界中で使われる数独という名称ではなく、ナンプレと呼ばれています。
ナンプレの正式名はナンバープレイスで、日本数独協会の数独物語によれば1979年にアメリカのパズル雑誌に初めて掲載された数独ゲームのタイトルを引き継いだものです。
日本人にとっては、ナンバープレイスという名前が意図する意味が分かりづらく、パッと数独を連想させないのは、デメリットと言えるかもしれません。
直訳すると、ナンバー=数、プレイス(Place)=配置する、となり2語を合わせて「数を配置する」となります。
また、プレイスが場所を意味することから「数字の場所を探す」とも解釈できます。
こうして見るとナンプレは、パズルの特性を的確に反映したネーミングであることが分かり、抵抗感も薄れます。
ちなみに、ナンプレの別名である数独という名前は、日本語でありながら今や世界標準の単語となり、ナンプレからどう発展したのかも合わせて知りたいところです。
数独と呼ばれるようになったのは、アメリカのパズル雑誌に感銘を受け、二コリ社を創業した鍜治真起氏の提案によります。
ナンプレの面白さに惹かれた鍜治氏が1984年に二コリ社の月刊誌で自作のナンプレを「数字は独身に限る」として、日本で初めて数独を紹介したのがルーツです。
1から9の数字が限定のエリアに1度だけ入るルールのため、1回=シングル=独身として「数字は独身に限る」と表し、やがて呼びやすく短縮した「数独」の呼び名が浸透しました。
まさに、斬新なネーミングもナンプレの奥深さを象徴しているかのようで、興味深いです。
まとめ
ナンクロにナンプレと、昨今はパズルゲームの種類が拡充し、ファンにとっては嬉しい悲鳴がとまりません。
名前は似ていても、ナンクロとナンプレは異なるゲームで、クロスワードのマスに番号が付き、その番号によって文字を判別し、隠れた単語を解明するナンクロに対し、ナンプレは数字の並び順を解くロジックパズルです。
ナンクロのやり方は簡単で、手がかりとして与えられた番号に当てはまる文字をベースに、意味ある言葉を推測していきます。
特徴的な数字の並びから、マスに入る言葉が突然ひらめくこともあり、ナンクロでは語彙の発想力も試されます。
ナンプレは、ナンバープレイスの意味で、数を配置するパズルの特徴が反映されています。
同時に、使える数字は一回だけを示す「数字は独身に限る」を短縮した数独としても有名です。