柿、栗、サンマにさつまいも。
秋はどうしてこんなにも美味しい食べ物がいっぱいなのでしょうか。
食べるのが大好きな食道楽だけでなく、グルメな美食家の胃袋をも魅了する「食欲の秋」。
日頃のダイエットはいったん忘れて、秋の味覚を思う存分満喫するべく、身も心も準備万端です。
しかし、どのタイミングで「食欲の秋」をスタートさせ、底なしの空腹を満たして良いのかが、はっきりとわかりません。
「食欲の秋」が何月頃を指すのかを考えるなら、まずは作物の実りの時期である旬に注目してみましょう。
旬とは、食物がとびきり新鮮で栄養価も高く、最も美味しく食べられる時期を意味します。
四季それぞれに旬となる食べ物は異なりますが、秋は1年の中でも旬の食材が特に集中する嬉しい季節です。
例えば、9月から10月にかけて、柿や栗、ぶどう、梨、りんご、さつまいも、松茸など、多くの果物や野菜が収穫の最盛期を迎えます。
さらに、日本人には欠かせない主食のお米も、10月に稲刈りされるのが通例です。
また、サンマや鮭などの魚も、海水の温度が下がる秋には身が引き締まり、絶好の食べ頃となります。
旬の食材が数多く出回る9月や10月は食欲が満たされやすい、まさに「食欲の秋」真っ盛りです。
さらにもう1つ「食欲の秋」の指標となるのが、人間の体のメカニズムと言えます。
気温の高い夏は、体温維持のためにエネルギー源を多く取り込む必要がないので空腹をあまり感じないうえ、冷たい飲み物で内臓機能に負担がかかったり、エアコンによる冷えで体の調子が整わず、食欲が低下することもしばしばです。
しかし9月に入ると、どんどん日が短くなり、気温も下がり始めます。
寒くなる外気温に逆らって、体を温かく保つには多くの栄養分が必要となり、暑い夏の時期に減退していた食欲も自然と回復します。
涼しくなる秋には人間の生存本能が刺激され、来たる冬の寒さに備えて皮下脂肪を蓄えようとするため、食欲の増加に拍車がかかります。
人間の自然な欲求に従えば、9月や10月頃から食への意識が高まる「食欲の秋」に突入します。
食欲の秋をスピーチで使いたい!どんなスピーチをするとウケる?!
読書の秋にスポーツの秋、芸術の秋など親しみを込めて表現される秋のなかでも、一番身近に感じられるのが「食欲の秋」ではないでしょうか。
世代や性別を越えて幅広い層が興味を持つテーマなので、秋のイベントや社内朝礼のスピーチの題材として取り上げやすい内容です。
ストレートなスピーチでも、なるほど!と驚きや発見を呼び起こす内容だと好感度もアップします。
「食欲の秋」をスピーチで使うなら、知っているようで意外と知らないその由来と、込められた本当の意味合いを説明してみましょう。
四季に関係なく野菜や果物が手に入るようになった現代の便利な生活とは異なり、かつては季節毎に収穫を迎える採れたての旬を尊重し、ベストシーズンの食材を味わうのが習わしでした。
とりわけ秋に旬を迎える食材は数多く豊富で、あれもこれもと必然的に食欲が増してしまうので「食欲の秋」と言われるようになったのが、そもそもの由来です。
しかしそれ以外にも、秋に食べ過ぎてしまうのは、冬眠前のクマと同様、寒い冬の到来を見越してエネルギーを蓄えようとする哺乳類の自衛本能の名残からでもあります。
また、高まる食欲は、心を落ち着かせる幸せホルモンとして知られるセロトニンの分泌を促すためとも言えます。
セロトニンの合成には、太陽光をたっぷりと浴びることや適度な運動、タンパク質の豊富な食事、美味しい物を食べて感じる幸福感などが不可欠です。
日照時間が減り始める秋は、脳内ホルモンであるセロトニンの分泌量が低下し、気分が落ち込んだり、睡眠に支障をきたすことも。
そのため秋は、旬の食材の味覚を楽しみながら、質の良い食事をバランス良く摂ることが鍵となります。
秋に蓄えた栄養分は、冬の脂肪として定着します。
食欲が増すのはやむを得ないとしても、体重の急増加には手放しで喜べません。
「食欲の秋」は、秋だから美味しい物をどんどん食べようというメッセージだけではなく、むしろ“食べ過ぎはほどほどに”という戒めでもあります。
このようなスピーチでうんちくを披露したり、健康のために体調や体重の管理にも気配りをしたらいかがでしょう。
食欲が止まらない中学生を救う!空腹じゃないのに食べたくなる!?
秋の味覚を目の前にして、暴走する食欲をいともたやすく正当化してくれる「食欲の秋」。
実りの秋を味わうという言葉の裏には、実は食べ過ぎに注意しようとの暗示がかけられています。
誰にとっても耳の痛い言葉ですが、特に絶賛、成長期である中学生は、食欲の秋に限らず、モリモリの食欲が止まりません。
寝起きの朝ご飯もぺろりと平らげているのに、昼食を前に既にお腹がグー。
美味しいランチでのエナジーチャージに続いて、3時のおやつタイムも必須です。
夕食だけでは物足りず、時には夜食まで、気持ちの良い食べっぷりに感心してしまいます。
でも、中学生ともなれば見た目も少しは気になるお年頃。
縦に伸びるのは構わないとしても、ぽっちゃり体型はプライドが許しません。
胃袋にも限界があるはずで、問題は空腹じゃないのに食べたくなる衝動がコントロールできない点。
つまり満腹感を得られる食事の方法を考えたら、中学生の食欲を抑えることができるかもしれません。
満腹感を得やすい食べ方は、至ってシンプルです。
簡単過ぎて拍子抜けするくらいですが、まずはよく噛んで、ゆっくりと食べるのが基本。
少量ずつ口に運んで、食べ物の美味しさを噛みしめることが大切です。
食欲を抑制する脳の満腹中枢は、物を食べると上昇する血糖値の濃度だけでなく、咀嚼の刺激によっても、満腹であるという指令機能を活性化できるので、空腹と満腹の切り替えを助けてくれます。
また、1日に3度の食事は出来るだけ決まった時間に、きちんとテーブルに座って落ち着いた環境で摂るのもポイントです。
雑誌や漫画を広げながら、スマホを見ながらの、所謂“ながら食べ”は、いつまでたっても満腹中枢にメッセージが届かず、食べる量も無用に増えてしまいます。
さらには、熱中して打ち込める趣味やスポーツなどを見つけて、食べることへの執着から注意をそらすことも一案です。
何もすることがなければ、空腹でもないのについ目の前にあるお菓子に手が伸びてしまいがち。
食べ物を口にできない状況に身を置いて、忙しく過ごすと、食い気も紛らすことができます。
まとめ
実りの秋や収穫の秋としても知られる秋は、まさに「食欲の秋」で私達の味覚を存分に満足させてくれます。
9月から10月は、一番美味しく食べられる旬を迎える食材がとりわけ多く、涼しくなる気候と共に人間の生存本能が働き、寒い冬に備えてエネルギーを蓄えようと食欲が増すことからも、「食欲の秋」の最盛期と言えます。
身近な話題である「食欲の秋」は、秋ならではのスピーチの題材にも最適で、知っているようで不確かな「食欲の秋」と呼ばれる理由や隠された意味を織り交ぜるのがおススメです。
成長期の中学生は、とめられない食欲に葛藤が芽生えますが、空腹と満腹時の切り替えがつく食べ方の工夫や環境作りで、食欲のコントロールに努めてみましょう。