節分の恵方巻きの意味は?なんで、いつから食べられるようなった?

節分 恵方巻き 意味

お正月に続く冬の伝統行事と言えば、2月初旬の節分です(2021年は2月2日)。

豆まき用の大豆や落花生に、厄除けの柊(ヒイラギ)イワシなど必須アイテムを揃えると共に、節分メニューの準備も万端にしたいものです。

節分の特別メニューでまず思い浮かぶのが、恵方巻。七福神にちなみ縁起の良い七種の具材を含んだ太巻き寿司は、今や全国に浸透した節分の新しい食習慣となりました。

インターネットリサーチ大手のマイボイスによる2020年のアンケートによれば、恵方巻を知っている人は95%にのぼり、2005年の第1回調査時の81%と比べると、いかに定着しているかが分かります。

そして、恵方巻を食べたことがある人の割合は、全国平均78%であるのに対し、近畿・中国・四国地方では9割以上という高水準になっています。

これはもともと、恵方巻のルーツが大阪を中心とした関西にあるためです。

その年の恵方に向かって、丸々1本の巻き寿司を無言で食べきるという恵方巻の風習が生まれた背景は、江戸時代の終わり頃に大阪の商人が商売繁盛を祈願した、船場の旦那衆の遊びが起源であったなどの多くの説があり、はっきりとしません。

1970年代以降、巻き寿司に海苔の販売促進を託した大阪海苔問屋協同組合が「節分巻き寿司丸かぶり」イベントを開催したり、スーパーやデパートによる販売も次第に増え、節分には巻き寿司というイメージがじわじわと広がりました。

そして、1998年(平成10年)には大手コンビニチェーンが「恵方巻」と命名して、全国販売を開始したのが転機となり、関西圏以外の地域にも節分の恵方巻が伝わる結果となったのです。

恵方巻を食べる際には、その年に吉とされる方角である恵方を向く、願い事を叶えるために食べきるまでは言葉を発しない、縁起を悪くしないために切らずに丸ごと食すのが基本ルールとされています。

福を呼ぶ効果の程は分かりませんが、恵方巻は節分の団欒にはぴったりで、美味しいメニューとしても最適です。

節分の恵方巻きを子供用にアレンジ!子供が好きな具材を入れて!

節分 恵方巻き 子供用

ボリュームたっぷりで、見た目にも鮮やかな太巻き寿司である恵方巻。

恵方に向かって無言で食べきるのが習わしですが、子どもには量が多すぎるというジレンマを感じます。

加えて、定番の恵方巻には、かんぴょうやしいたけ、うなぎや穴子の蒲焼き等、子どもが食べ慣れない具材も含まれるので、好き嫌いによる食べ残しも気になるところです。

そこで、色々な迷いを払拭して美味しく完食できる、子どもが大好きな具材をふんだんに使ったアレンジ恵方巻きを作ってみませんか?

おススメ具材のトップは、魚肉ソーセージ・卵焼き・きゅうりのシンプルな組み合わせ。

魚肉ソーセージの代わりに、ツナマヨやかにかま、スティックチーズにハムも相性抜群です。少々奮発して、茹でエビやカニのほぐし身でも子ども受けします。

あるいは変わり種として、甘辛く煮付けた牛肉をメインにした韓国風の巻き寿司も食べ盛りの子どもにピッタリです。

甘酢のきいた寿司飯が苦手な子どもには、普通の白米にふりかけやゴマをまぶして代用したり、ケチャップライスでも良し。

子ども向けの恵方巻は、食べ切れるサイズで、かぶりつきやすい太さにも配慮して作ると、食材の無駄もありません。

余力のあるママなら、子どもの好きなキャラクターや可愛い模様をあしらったデコ恵方巻に挑戦してみましょう。

ニコニコ笑顔で完食してくれること間違いなしです。

子どもと楽しく恵方巻を味わうポイントは、堅苦しくなりすぎないこと。

巻き寿司の湿った海苔が食べにくそうなら、食べやすい大きさにカットするなど臨機応変に対応するのが一番です。

節分の恵方の方角は?知っておきたい簡単な調べ方!

節分 恵方 方角

恵方巻も用意して、後は頬張るだけの状況になったら、確実にチェックしたいのが今年の恵方の方角です。

恵方は毎年変わるので、要注意!

2021年の恵方は、南南東(やや南)です。方角を知るために方位磁針を持ち出したり、アプリをインストールしたりと少々面倒ですが、恵方を知る方法は意外と簡単なのでご安心を。

恵方を調べるには、何とその年の西暦年数末尾の数字に注目するだけという裏技があるのです。

西暦の末尾が0もしくは5の場合、恵方は西南西。末尾が1・3・6・8なら南南東。2・7で終わる年は北北西、4・9が末尾だと東北東という具合です。

ここでお分かりかもしれませんが、恵方には大きく分けて4方角しかありません。

時計回りに、北北西→東北東→南南東→西南西と位置しています。

恵方とは、その年の福を司る神である「歳徳人(としとくじん)」が存在する方角です。

この方角は、中国古来の暦上の区分けである「十干(じっかん)」と深い関連があります。

2021年は丑(うし)年でもありますが、十干は日頃から馴染みのある十二支と共に「干支」(えと)を構成する要素です。

十干は、庚・辛・壬・癸・甲・乙・丙・丁・戊・己の10種で、生命の循環を表現したもの。この並び順で西暦末尾の0~9に呼応しています。

4方向の恵方は、十干の中でも陰陽の観点から言えば「陽」のみに限られ、庚(西南西)・壬(北北西)・甲(東北東)・丙(南南東)という組み合わせです。

植物の成長過程を重ねると、庚(結実・西)・壬(種子が宿る・北)・甲(芽生え・東)・丙(葉が広がる・南)の重要な4ステージが反映されています。

全ての物事には陰陽という2面性があるように、恵方と反対の方角は「塞がり」(ふさがり)です。

願い事をあれこれと思い浮かべながら、塞がりに背を向け、恵方に向かって食べる恵方巻。

2021年の節分は、いつもより神妙で、奥深い味わいになるかもしれません。

まとめ

2021年の節分も、もうすぐです。2月2日に向けて準備する物は色々ありますが、節分に食べたくなるメニューと言えば恵方巻が外せません。

関西に古くから伝わる節分の食文化であった恵方巻は、巻き寿司の販売を促進したい関係各所の思惑により、今では日本全国に普及しました。

その年の吉方向へ向かって縁起の良い巻き寿司を丸かじりし、無病息災や厄除けを祈願します。

子どもには、具材やボリュームに気を配ったアレンジ恵方巻もおススメです。

恵方巻を食す際に必ず確認すべきである恵方は、1年毎に変動しますが、西暦の末尾の数字から簡単に方角を知ることができます。

立春の節目のお祝いと縁起担ぎに、節分には恵方巻を味わってみませんか?