初節句を迎える子どもを持つ親としてモヤモヤとした気持ちになるのが、お祝い金の額ではないでしょうか?
もちろん、頂くお祝い金はとても有り難く、込められた気持ちを考えれば金額は二の次とは分かっているのですが。
昔から節句の準備には孫の誕生を喜ぶ祖父母が関わるのが慣例となっている上、お祝い金の額に絶対的な決まりがないのが、問題を複雑にしています。
そこで、心の平穏を保つためにも、初節句のお祝い金の相場を知っておきましょう。
夫の両親からのお祝い金は30,000~50,000円程度、妻の両親からのお祝い金は50,000円~100,000円程度が平均的です。
夫と妻の両親では、お祝い金に大きな差があります。
これは祖父母にとり内孫なのか外孫なのかという基準が関係しているためです。
内孫とは、自分の跡取りから産まれた孫を指します。
つまり、息子の嫁が産んだ子どものことです。
内孫に性別は関係ありません。
一方で、外孫は嫁に行った娘から産まれた孫です。
妻の両親にとっては外孫になります。
多くの地域の風習によれば、節句の飾りを購入するのは外孫の祖父母の役目です。
しかし近年では、若夫婦にお金を渡して節句の飾りを自由に選んで購入して欲しいとお祝い金を増やすケースがあり、両家のお祝い金の額に開きが見られるのです。
内孫を祝う夫の両親からの祝い金より、外孫を祝う妻の両親の祝い金の方が多め、という傾向はありますが、誰が節句の飾りを買うのか、また購入資金を出すのは誰かによってケースバイケースと言えます。
初節句のお祝い金の相場は、あるように見えて、全くないのかもしれません。
頑なに金額にこだわらず、節句の祝いの本来の意図を考えると少しは落ち着けます。
初節句は嫁の実家がするのが普通?嫁の実家が貧乏ならどうする?!
子どもが誕生して初めて迎える季節の節目は、初節句と呼ばれます。
男の子なら5月5日の端午の節句、女の子なら3月3日の桃の節句にちなみ、健やかな成長を祝います。
端午の節句には鎧兜や鯉のぼりを飾り、桃の節句には雛人形を飾るのが長らくの風習です。
初節句の飾りは、昔から子の親が用意するのではなく、可愛い孫のために祖父母が購入するのが慣例でもあります。
離れて暮らす嫁いだ娘と孫に会いたい一心で、飾りを届ける事が都合の良い口実として適当だったのが始まりとも言われています。
このような背景から、初節句の準備は嫁の実家が主導で進めるというスタイルが、多くの地域で定着しています。
初節句の飾りは種類やサイズ、品質により価格に大きな幅がありますが、伝統品のため値の張る一品であるのには間違いありません。
もし嫁側の実家に経済的な余裕がなく、初節句の飾りを購入することが出来ない場合はどうしたら良いのでしょうか?
伝統やしきたりも大切ではありますが、それ以上に大切に汲み取りたいのがお祝いの気持ち。
孫の順調な発育を願わない祖父母はいないはずです。
まずは両家で話し合いをして解決策を見い出しましょう。
例えば、夫の両親と妻の両親が折半して初節句の飾りを購入するのも一案ですし、夫の両親が購入を全面的に引き受けるのも良い考えです。
もしくは子の両親である夫婦が、自ら購入するという選択肢もあります。
必ずしも、嫁の実家が準備しなければならないという決まりはありませんし、他の家族と比較する必要もありません。
両家で率直な気持ちを伝え合い、皆が納得できる購入方法を決めるのが理想的です。
節句の飾りが原因で家族がぎくしゃくしてしまうのは本末転倒です。
初節句の祝いは、両家の家族が揃って新しい世代の誕生を喜び、幸せなひと時にしたいものです。
初節句の父方のお祝いはどうすればいい?食事会を催すのが礼儀?!
初節句の準備には、嫁の実家が大いに関係していますが、一方で夫の実家は何もしなくても良いものなのでしょうか?
何だか不公平感を感じてしまいますが、地域によっては端午の節句の兜飾りは嫁の実家が用意し、夫の実家が鯉のぼりを購入するならわしが引き継がれている場合もあります。
同様に桃の節句には、嫁の実家が雛飾りを準備し、夫の実家が市松人形を贈呈するという両家の協力体制が慣習である地域もあります。
もし、このような風習がない場合、父方の両親によるお祝いの気持ちを示す方法として、両家を招いての初節句の食事会をセッティングするのが一般的です。
お祝いの食事会は、節句の飾りを用意してくれた嫁の実家へのお礼の意味合いも兼ねています。
典型的な祝い膳には、端午の節句ならタイやカツオ、ブリなどの縁起の良い魚や、伝統的なちまきや柏餅が含まれます。
桃の節句には、ちらし寿司やハマグリのお吸い物に、雛あられが定番です。
結婚式以降、両家が揃う集まりは多くないので、初節句のお祝いの食事は、家族が増えた喜びを皆で共有できる絶好の機会になります。
節句のお祝いの食事会の席には、両家の両親に加えて、若夫婦の兄弟や近しい親戚を招待することも。
寛げる自宅で手料理に舌鼓を打つ以外にも、節句の祝い弁当などケータリングを利用したり、レストランやホテルで和やかに会食というケースも増えています。
また、祖父母が購入してくれた節句の飾りをお披露目する意味を込め、若夫婦が自宅に両家を招いて食事会を催すという選択も多く見られます。
こうしてみると節句の祝いには絶対的に従わねばならないルールはなく、古くからの習慣を尊重しながらも、思い思いにアレンジを加えつつ、家族が広がっていく喜びを再確認する節目であると実感します。
まとめ
初節句を迎える準備は多くあり、若夫婦にとっては両家の祖父母からのお祝い金の相場や節句の飾りの贈答など、慣習と現実の狭間で複雑な気持ちになることもしばしばです。
お祝い金には、目安となる金額の相場が受け継がれていますが、両家による金額の違いを生む要因として、内孫か外孫かという孫の立場の差が挙げられます。
ただ、お祝い金には絶対となる金額の取り決めがある訳ではないので、あくまでも込められた気持ちに感謝したいものです。
初節句の飾りの購入に関しても同様で、基本的には嫁の実家が準備を整えますが、様々な状況により両家で話し合いの上、柔軟な選択を取り入れるのが最善です。
父方のお祝いとしては礼儀として節句の食事会を開き、孫の成長に目を細めつつ縁起の良いメニューを味わうのが定番。
初節句は、子どもの成長を祝い、代々継承される家族の在り方と祖父母による孫への愛情を深く感じる良い機会です。