五月人形は使い回しができる!?子供の身代わりなのでダメ!?

五月人形 使い回し

5月5日のこどもの日は、五節句の一つである端午の節句です。

男の子が産まれた家庭では初節句の準備に大忙しでしょうか。

お祝いには、鎧兜(よろいかぶと)の飾りや鯉のぼりがつきものです。

五月人形とは、武士の戦に必需品であった鎧兜に加えて、短い刀(かたな)や長めの太刃(たち)、弓の道具に加え、豪傑で知られる弁慶にたくましさの象徴である金太郎、勇ましい武者を模した人形を含めた飾りを指します。

初めて迎える節句の準備で五月人形を買おうと調べたら、結構なお値段がして驚いてしまいます。

そこでひらめくのが、旦那や自分の兄弟が持っている五月人形を有効活用して使い回すアイデア。

これこそ今流行りのリサイクルで、究極のエコではありませんか。

しかし、結論から言えば五月人形の使い回しは避けるべきで、あなたの息子には新たな五月人形を用意するのがしきたりです。

五月人形は男の子の無事な成長を願い、邪気を払う意味合いが込められています。

そしてこの先に待ち受けるかもしれない災難から男の子を守る、身代わりとしての役目を祈願されているのが五月人形なのです。

五月人形は、男の子にとって大切なお守りであり、健やかにたくましく育った暁にようやく役目を終えます。

願掛けをしたお守りを使い回すことがないのと同じで、本来の意味合いを尊重し、五月人形も一人一人の男の子につき新たに購入するのが最善です。

家の伝統を感じる先代の五月人形を継承したり、中古品の五月人形を購入するというのは、厄除けの観点からすると残念ながらNGとなります。

役目を終えた五月人形は、クローゼットにしまい込んだままにしたり、廃棄処分にするのはもってのほか。

寺社で行われる人形供養を利用して、祈祷のうえお別れをするのが理想的です。

節句文化の振興を担う日本人形協会では、人形供養を感謝祭と位置付け「さようならではなくありがとう」のモットーの下、五月人形へ感謝の気持ちを込めた供養を推奨しています。

五月人形の平均予算はどれくらい?10万円から30万円?!

五月人形 平均予算

五月人形を初めて購入するなら、金額の目安を知っておきたいですよね。

それに他の家庭ではどれくらいの予算で、どんな五月人形を買っているのかも気になります。

一般社団法人の日本人形協会が2015年末に実施した調査によると、長男の五月人形を節句人形専門店で購入した家庭が47%を占め、その平均購入価格は107,909円。 
(参照 : https://www.ningyo-kyokai.or.jp/about/images/press_gogatsu2016.pdf )

最もポピュラーな五月人形の購入価格帯は5~10万円で、全体の約45%を占めます。

一方で5万円以下の五月人形を選んだ家庭も19%、10~30万円では何と34.5%にも達します。

あくまでも節句人形専門店からの購入者のみを対象にした統計ですが、安価すぎず高値すぎない無難な中間価格帯の五月人形に人気が集中しているのが分かります。

また、五月人形の多くが一生に一度の買い物であり、祖父母が購入するケースも多い事から、高額で本格的な五月人形にも根強い需要があります。

そして更に注目なのが、実に75%程度の家庭が兜飾りを選んでいるという結果です。

2番目に人気のある鎧飾りでも11.2%の購入割合なので、端午の節句飾りとしていかに兜が定着しているかが顕著に表れています。

調査結果を元に考えると五月人形の購入に迷うなら、予算としては10万円が1つの目安で、兜飾りを中心に品定めするのがおすすめと言えます。

購入先に関して、節句人形専門店及び総合通販サイトを利用したネット購入は全体の約14%とのこと。

通販サイトでは、コンパクトなガラスケース入りの五月人形で2万5千~5万円前後の価格帯が売れ筋です。

5年前に比べ便利な通販サイトを利用する割合は、更に高まっていることでしょう。

五月人形は、クオリティ、種類、価格、購入先と全てにおいて多くの選択肢があります。

いずれの選択にせよ、男の子の誕生を祝い、健やかな成長を祈る点には変わりありません。

五月人形を実家に飾るのはアリ?飾る場所がない場合はOK?!

五月人形 実家に飾る

五月人形は価格にも大きな違いがありますが、大きさの異なる幅広い飾りの種類があります。

埃や汚れがつかず設置も簡単なガラスケース入りや卓上に飾れるコンパクトなタイプ、実物大の鎧飾りまでお好みに合わせて選べます。

五月人形を注文してほっと一安心と思いきや、次なる疑問はどこに五月人形を飾るのかという問題です。

飾る場所や収納スペースを予め考えておかないと、購入してからしまった!という事態に陥ることも。

加えて、五月人形は祖父母が購入して贈る場合も多々あるので、豪勢な飾りが届き一体どこに置けばいいのかと途方に暮れるケースもあります。

五月人形は、男の子の無事を守る身代わり的存在なので、手元にあるのに飾らないのは厄除けの効果が弱まり、ちょっと不安な気持ちになってしまいます。

でもご安心を、飾る場所に困ってしまったら、どちらかの実家にお願いして飾ってもらうのもOKです。

遠く離れた実家であっても五月人形がきちんと飾られていれば、病気や事故から息子の身を守り、邪気を寄せ付けない祈願の目的が果たされます。

五月人形は、風通しの良い直射日光の当たらない場所に飾るのが最適です。

縁起物であっても方角はあまり関係ないので気難しく考える必要はありません。

昔は床の間のある和室に飾るのが定番でした。

しかし今では、五月人形のサイズにより家族や訪問者が折々に触れて飾りを眺めることができる、居間や玄関スペースに飾るのもおすすめです。

まとめ

男の子のお祝いである端午の節句に準備する飾りには、鯉のぼりと共に五月人形があります。

五月人形は、武家文化からの影響を受け継ぐ、兜や鎧、刀などの武士の保身道具と勇敢な人物を模した人形から成る節句飾りです。

男児の健やかな成長を祈願し、厄除けの身代わりとなるのが五月人形の使命であり、1人に1つ新しい飾りを用意するのが通常で、使い回しはおすすめしません。

五月人形は、節句人形専門店で購入する家庭が大半を占め、30万円程の高額な飾りの需要も高いですが、平均購入金額は約10万円となっています。

住居スペースに限りがあり、五月人形を置く場所がない場合は、夫婦いずれかの実家に飾るのを代案として考えてみましょう。

五月人形に込められた意味を知ると、お祝いの準備も着実に進み、意義深い端午の節句が迎えられます。