車の運転に欠かせない保険。
保険の更新時期になると頭を悩ませるのが、契約の見直しや保険会社の乗り換えではないでしょうか?
何かと出費の多い車の維持ですから、保険料を少しでも抑えたいという気持ちは当然です。
とりわけ、加入が義務付けられていない車両保険は、いつまで掛け続けたらいいのか迷うところです。
車両保険とは、自分の車に事故による損害が生じた場合に、修理費用の補償を受けることができる保険です。
補償額の上限は、一体どのように計算されるのでしょうか?
補償額、すなわち、保険金の支払い限度額は、初度登録年月や車の型式により、範囲が決められています。
初度登録年月は、新車時に運輸支局に初登録された年月を指し、型式は、メーカーや車名、エンジンサイズや排気量など、同タイプの車を判別できる番号です。どちらも自動車検査証を見るとわかります。
保険会社では、これらの情報に、自動車保険車両標準価格表という車の時価をまとめたデータを加味して、車両保険の最大補償額を決定します。
車は年数を重ねる毎に走行距離が増え、使用に伴いメンテナンスも必要になるので、価値の下落は避けられません。
車の時価が劣ると、車両保険の最大補償金額も少なくなる仕組みです。
以上の事を考えると、車両保険は、車の時価が高い時期である、新車購入からの数年間には加入の意義が高い保険と言えます。
一方で、中古車をはじめとして車の所有が長くなるほど、車の時価が大きく下がるので、補償額上限が修理費用よりも低くなる事が予想されます。
ここが車両保険が必要か不要かの決め時となります。
車両保険の支払いまでにかかる日数は?仮渡金、内払金とは?!
もし事故を起こしてしまったら、速やかに保険会社に連絡を入れましょう。
各保険会社では、24時間体制で事故対応専用の連絡先を設けています。
保険会社では、事故の状況を確認して、契約の保険内容で補償ができるかどうかの審査に入ります。
事故の当事者として気になるのは、補償額の支払いはいつ頃になるかという点です。
補償額の支払い時期は、保険会社により若干異なりますが、通常は30日前後のケースが多いようです。
事故の程度により、保険金の受け取りに1か月以上かかる場合もあります。
意外と時間がかかるので、自分自身、または被害者が怪我の治療で入院ともなれば、仕事にも行けず収入が途絶える訳で、当面の間のお金のやりくりが心配です。
そんな場合には、仮渡金の制度の利用を検討しましょう。
仮渡金とは、事故の被害者が、補償金額の一部を仮に受け取れるしくみで、金額は怪我の程度により5~40万円・死亡の場合は290万円と法律で定められています。
仮渡金は、加害者が強制加入している自賠責保険により、請求から約1週間で支払われます。
但し、仮渡金の請求は1回のみで、加害者には適応されず、最終的に決定する補償額を超えていた場合、差額を返金しなければなりません。
事故を起こした自分が怪我をした場合は、車両保険を含む任意加入した自動車保険の補償内容を確認しましょう。
自動車保険に、人身傷害保険も入っていれば、あなたの怪我の治療費用も補償内容に応じてカバーされます。
また、仮渡金と似たような制度で、内払金という、怪我の治療のため長期入院が必要となる場合に、治療費を限度額まで何度でも請求できるしくみもありましたが、平成20年 (2008年) に廃止となっています。
しかし、保険会社により最終的な補償額が決定される時に合わせての本請求が可能です。
車両保険を使って修理をする場合、ディーラーと修理工場の違いは?!
事故が起きると、怪我の治療の次に考えなくてはならないのが、事故車両の修理です。
まずは、修理が必要なダメージが車両保険でカバーされているかを確認しましょう。
保険料を抑えたタイプの車両保険だと、車を電柱にぶつけて凹ませてしまった等の自損事故は、補償の対象外となっている可能性もあるので注意が必要です。
修理は、ディーラーまたは修理工場を、見積もりに応じて自由に選択できますが、ディーラーか、修理工場か、どちらを選ぶのが最適なのでしょうか?
ほとんどの保険会社に提携の修理工場があるので、保険会社指定の修理工場に修理をお願いするのが手っ取り早い方法ではあります。
提携の修理工場は、多様なメーカーの車の修理を扱う為、特定のメーカーの車の知識がやや劣ることは否めません。
提携修理工場では、事故車の引き取りサービスや、代車の無料提供など多くの特典を用意しています。
ディーラーでの修理の利点は、顔なじみの担当者が一連の修理をケアしてくれるので安心感があり、故障部分のパーツの入れ替えには純正部品を使うなど、車のノウハウを活かした包括的な修理を行ってくれる点です。
ただ、ディーラーは車の修理を専門の工場に委託することになるため、修理費用が高めになる傾向があります。
修理の見積もりを複数取り、保険会社と補償額の確認をして、保険会社提携の修理工場を利用するか、ディーラーに修理を依頼するかを判断しましょう。
まとめ
車両保険は、加入義務がないので、保険料の支払いを躊躇してしまいがちです。
月々の保険料金の高さを嘆くのではなく、保険料金と補償額が車の価値に見合っているのかどうかを判断するのが鍵と言えます。
最低限の掛け金で、希望に近い補償が受けられるか、つまり、コストとサービスのバランスが取れた車両保険選びが賢明です。
誰にでも起こり得る自動車事故。
車両保険に加入していれば、自賠責保険では受けられない多くの補償が受けられるため、軽視できない任意保険です。
車両保険を上手く選択して、日々のドライブを安心して楽しみましょう。