月見とは?兎と神話の深い関連性をあなたはどれだけ知っている?

1. 月見の起源と歴史

月は古来から人々の生活や文化と深く迫ってきました。

月見は古代から続く伝統的な風習です。

また、世界各地の月見の祭りを知ることで、その土地の歴史や人々の絆、伝統に触れることができるでしょう。

1-1. 月見の古代からの伝統

月見は紀元前1600年頃から始まったとされる、3000年以上の歴史を持つ行事です。

日本には平安時代に伝わり、宮廷や貴族の邸宅では、月見の夜には詩を詠んだり、音楽を楽しんだり宴会が展示され、これが現代の月見の原型となったといわれています。

江戸時代になると、月見は庶民の間にも広まり、特別な日としても親しまれるようになりました。
町や村の広場では、月見団子を販売する露店が出るなど、劇場な祭りの雰囲気家族や友人と一緒に、満月の下で団らんを楽しむ風景は、日本の風物詩として愛されています。

現代でも、月見の伝統はしっかりと守られています。
SNSでの月見写真のシェアなど、新しいスタイルの月見も登場しています。

1-2. 世界各地の月見の祭り

中国の中秋節

中国では、月見は中秋節と呼ばれており、春節(旧正月)に次ぐ一大イベントです。

中秋節は、五穀豊穣や家族団らんを祝う日として重要視されています。
中国の人々は、この日に月餅という円形の菓子を食べたり、提灯を持ってお月見をしたりします。
また、伝説に登場する不老不死の薬を飲んで月に行ったという嫦娥(じょうが)という女性や、彼女についていったウサギなどの話を語り合ったりもします。

インドのカルティカ・プールニマ

インドでは、月見はカルティカ・プールニマと呼ばれており、ヒンドゥー教やジャイナ教などの宗教的な意味合いが強いです。

カルティカ・プールニマは旧暦10月15日頃にあたり、神々が地上に降りてくるとされる吉祥な日として崇められています。
インドの人々は、この日にガンジス川やその他の聖なる川で沐浴したり、灯籠やろうそくを浮かべたりします。
また、シヴァ神やヴィシュヌ神などの神々に捧げる儀式や祭典も行われます。

タイのローイクラトン

水辺で灯籠を流す美しい風景が有名です。
ローイクラトンは旧暦12月15日頃にあたり「水に浮かべる」という意味で、タイの人々はこの日にバナナの葉や竹で作った灯籠に花やろうそくなどを飾って川や池に流します。
これは、仏陀や水の精霊に感謝するとともに、不幸や罪を流す象徴です。
また、空に飛ばす灯籠も人気で、これはヨーイペンと呼ばれています。

ベトナムのTết Trung Thu

旧暦の8月15日、日本では「十五夜」にあたる中秋節はベトナムでは先祖を敬い、子孫繁栄を願い盛大に祝われます。
この時期には満月を象徴する月餅(Bánh Trung Thu)を食べるのが習慣となっていて、日にちが近づくと市内で売り出されます。
月餅意外にも街中で提灯やお飾りも売られ、中秋節を迎える準備で盛り上がります。
また中秋説の4日前ぐらいから夕方になると市内の商店を巡る獅子舞が登場します。

2. 兎と月の神秘的な関係

兎と月という、一見関連性のなさそうなものが、多くの文化や伝統で共感できているのは、人々の想像力や物語性への欲求から生まれたものでしょう。

2-1. なぜ兎が月に住んでいると言われるのか?

月の模様が兎に見えることは皆さんもご存知だと思いますが、なぜ兎が月に住んでいると言われるのか?

実は、アジア各地に古くから伝わる兎と月の伝説があります。

その中でも日本や中国で有名な「月の兎」の物語を紹介します。

月の兎とは?

月の兎とは、「月に兎がいる」という伝承に見られる想像上のウサギです。

中国や日本では玉兔(ぎょくと)や月兔(げっと)と呼ばれ、仙人や神仏に仕える不老不死の存在とされています。

月の兎の物語

月の兎の物語はいくつかありますが、日本では仏話がもとになっているものが有名です。

昔むかし、兎と狐、猿が行き倒れそうになっている老人に出会います。
動物たちはそれぞれ老人を助けるために食べ物を持ち寄りますが、兎だけがなにも用意することができませんでした。
そこで兎は、焚火を起こさせてその中に飛び込み、自らを犠牲にして老人の腹を満たそうとします。
実は老人の正体は帝釈天という神で、兎の行いを尊んで月に召し上げました。
賢く慈悲の心に満ちた兎の心は広く知れ渡り、現在に至るまで優しい人の心を教える教訓となっています。

インドでは、シャシャンカ(しゃしゃんか)という名前の月の兎が登場します。
シャシャンカは仏教の教えを聞いたことがある聡明な兎で、自分の身体を献げようとしたことでインドラ神に感動されて月に昇ったという物語があります。

どちらも似ていますね。

2-2. 月の兎の形とその見え方

 

月の兎の形を見ることができるのは、実際は月の地形や陰影によるものです。

具体的には、月の海(砂漠や平原のような暗い部分)と山脈の配置によって、兎の形が見えると言われています。

少し想像力を発揮すると兎が見えるのですが、見え方は人によって異なります。
また、見る角度や時期によっても変わります。

日本や中国では、満月の時に右側に臼を持った兎が見えるとされます。
臼で何をしているかは様々な説がありますが、一般的には薬や餅をついていると言われます。

インドやヨーロッパでは、満月の時に左側に横たわった兎が見えるとされます。
この場合、臼は見えません。

アメリカやオーストラリアでは、満月ではなく三日月や下弦(かげん)の時に、上下逆さまになったウサギが見えるとされます。
この場合、耳や目や鼻がはっきり見えます。

3. 月と兎に関連する神話

兎と月の関係は、古くから多くの文化で語られてきました。

夜空を見上げる際は、是非この神秘的な物語を思い出して、月の兎を探してみてください!

3-1. 日本の月見と兎の神話

平安時代の「今昔物語集」に収められている『月の兎の伝説』が関係していると言われています。

この伝説によれば、猿、狐、兎の3匹が、山の中で力尽きて倒れているみすぼらしい老人に出逢いました。
3匹は老人を助けようと、猿は木の実を集め、狐は川から魚を捕り、それぞれ老人に食料として与えました。

しかし兎だけは、どんなに苦労しても何も採ってくることができませんでした。
自分の非力さを嘆いた兎は、何とか老人を助けたいと考え、猿と狐に頼んで火を焚いてもらい、自らの身を食料として捧げるべく、火の中へ飛び込みました。

このとき老人の姿をした帝釈天はもとの姿に戻り、すべての人に見せるため、火に入った兎の形を月の中に移しました。

月の中に雲のようなものがあるのはこの兎が火に焼けた煙であり「月の中に兎がいる」といわれるのはこの兎の形です。

すべての人は、月を見るごとにこの兎のことを思い出します。

3-2. 世界の月と兎の伝承・物語

中国の月の神話「嫦娥奔月」

月には、不老長寿の仙薬を盗んで飲み、月へと逃げた嫦娥(じょうが)という名の美しい仙女と、そのお供の兎たちが住んでいて、兎たちは嫦娥のために杵を手に薬を搗いているというのです。


インドの月の神話「兎本生譚(ササ・ジャータカ)」

ササ・ジャータカでは、帝釈天がバラモンの姿となって、かわうそ・ジャッカル・猿・ウサギのそれぞれに施しを求めた際、差し出せるものが何もないウサギが、自分の体を焼いて施しにしようと火に飛びこみます。
そして、この行為を讃えた帝釈天が,月面に山の汁でウサギの姿を描き、天へと帰って行きます。


メキシコの月の神話「アステカ神話」

世界がまだ闇のなかにあった時、テオティワカンに神々が集まって、太陽を創造するためにふたりの神を生贄にすることになった。
ひとりは裕福だが高慢なテクシステカトルであり、もうひとりはみすぼらしいナナワツィンだった。
炎の中に身を投じる段になって、テクシステカトルは4回にわたってためらったが、ナナワツィンは勇敢に炎に飛びこみ、太陽に変身して東の空に出現した。
自分の臆病さを恥じたテクシステカトルもその後に飛びこんで第2の太陽に変身したが、神々はウサギを投げつけてその光を暗くし月にした。

4. 月見の現代への影響

月見は、私たちに自然との繋がりや季節の変わり目を感じさせてくれる大切なイベント。

このような伝統が現代の忙しい日常においても、心のリフレッシュや文化の共有としての役割を担っています。

4-1. 月見と現代の文化

月見グッズのブーム

月見をテーマにした商品やグッズが毎年増えているのを感じますよね?

和菓子やアクセサリー、デコレーションアイテムなど、月見を現代のスタイルにアダプトさせています。

アートや音楽の中での月見

現代のアーティストやミュージシャンが、月見をインスピレーションとして取り入れることも。

  • フィンセント・ファン・ゴッホ「星月夜」
  • アンリ・ルソー「眠るジプシー女」
  • アルフォンス・ミュシャ「4つの星」
  • 絢香「三日月」
  • Superfly「輝く月のように」

その古典的な美しさが新しい表現として生まれ変わっています。

SNSでの月見シェア

中秋の名月の時期には、SNSが月見の写真や体験でいっぱい!

現代のコミュニケーションツールを使って、古いからの伝統を共有・再発見しています。

4-2. 月見料理と兎の役割

 

月見料理

月見と言えば、やはり月見団子や栗きんとん、栗ごはんなどの料理が欠かせません。

これらの料理は、秋の収穫を祝う合い意味が強く、収穫された新鮮な食材を使って、家族や友人と一緒に楽しむものです。

現代でも、これらの料理は月見の時期になると多くの家庭で作られています。

兎の役割とは?

月見の際に、月の中に兎がいると言われる伝説があります。

この兎は、かぐや姫の物語や、餅つきをしている兎の伝説など、様々な話に登場します。

兎は月見のシンボルとして、子供たちの興味を引きつけ、物語育児月見の意味や背景を伝える重要な役割を果たしています。