早春の風物詩と言えば、卒業式です。
新たな旅立ちにお祝いカードを渡すなら、ユニークな飛び出すカードを手作りしてあっと驚かせてみましょう。
味気ない市販のカードや簡潔なメールでの祝福では届けられない、温かな気持ちが詰まったオリジナルの飛び出すカードなら、印象度もグッと深まります。
作り方は至ってシンプルで簡単です。クラフトの経験者である必要もありません。
初めてでも意外な奥深さを発見できるのが、飛び出すカード作りの楽しさです。
まずはデザインを考えましょう。
卒業式で思い浮かぶ題材は、花束や卒業証書、学び舎である学校建物、学生時代に打ち込んだスポーツの道具などです。
あるいは、「卒業おめでとう」や「今までありがとう」と率直に気持ちを表現する言葉を貼り付けてポップアップさせるのも良い案です。
または、本人の写真を貼り付けた飛び出すカードも、遊び心いっぱいでおすすめです。
カード台紙と飛び出しを作る内紙、題材を描く別紙を用意したら、まずは内紙を半分に折り、山折りに部分に対して垂直に同じ長さの二本の切り込みを入れます。
切り込んだ部分を内側に引き出すようにして折り目をつけると、内側に段差が一段でき、ポップアップを貼り付けるベースになります。
別紙に描いた素材を切り取って、ベースに貼り付けて飛び出しが完成します。
二本で1セットの切り込みは、複数そして長短に違いを持たせると、奥行きのあるポップアップができます。
あるいは、内紙の山折り部分に一本切り込みを入れ、内側に引き出して折り込むと、三角形の飛び出しができ、別紙で作ったお花を飾り付けてブーケにしたり、紙ふぶきやテープが飛び出すクラッカーを模したポップアップに使えます。
単純な仕掛けをベースにした飛び出すカードですが、文字で説明すると込み入った感が拭えません。
そんな時のお助けに、インターネットで数多く見つかるペーパークラフトサイトや飛び出すカードの仕組みや作り方を分かりやすく解説しているYOUTUBE動画もフル活用しましょう。
とりわけ、ペーパーエンジニアとして著名なダンカン・バーミンガム(Duncan Birmingham) の「The pop-up Channel」は、飛び出しの基本を一から詳しく動画で見せてくれ、飛び出すカードの創作意欲が湧いてきます。
飛び出すカードの作り方!簡単な方法でできる誕生日ケーキはコレ!?
カードを贈るのにふさわしい機会と言えば、誕生日を語らずにはいられません。
誰しもが迎える年に一度の記念日。いくつになっても、やっぱりバースデーケーキでお祝いするのが誕生日の習慣です。
飛び出すカードでも、簡単な方法で誕生日ケーキをプレゼントすることができます。
ここでも、飛び出すカード製作の基本テクニックである切り貼りを最大限活用するだけです。
内紙を半分に折り、山折り線に垂直に二本の平行な切り込みを入れます。
切り込みはお好みに合わせて調整OKですが、ケーキの一段目の高さになることを意識して気持ち長めにします。
二本の切り込みの間隔は、一段目ケーキの横幅に比例することになるので、少々大きめでも構いません。
二本の切り込み線を利用して、山折り部分を持ち上げて折り返し、折り線を付けます。
内紙を開いて、切り込んだ部分を手前に引き出し折りたたみます。
内紙を閉じてしっかりと折り目を付けて再び開けると、内紙の中央に階段のような出っ張りができているはずです。
これがポップアップのメカニズムになります。
続いて、内紙を一度閉じ、段差の上部のみと隣り合わせた内紙に一段目ケーキより少し幅が狭く、短い切り込みを二本入れます。
二本の切り込みの間を折り上げ、内紙の内部へ引き出してやると、一段の段差にさらにもう一段の段差ができます。
イメージ的には、カードを開くと階段状のポップアップができる感じです。
ポップアップに、色を付けたり、別紙で作ったキャンドルやいちごなどの飾り付けを貼り付けたら、飛び出す二段ケーキの完成です。
同じ要領でさらに段差を付けて豪華な3段ケーキにしても良いですし、切り込みを入れて折り返した一段のポップアップ部分に別紙で描いたケーキを貼り付けても可愛くできあがります。
飛び出すカードの作り方!本にしたらメチャクチャ喜ばれた?!
手の込んだ飛び出すカードは、中身を何度でも繰り返し見たくなる、開けずにはいられない不思議な魅力があります。
基本テクニックを駆使した飛び出すカード作りに慣れてくると、もう一歩踏み込んだ大作にも挑戦したくなりませんか?
言わば飛び出すカードの集大成、ページをめくるごとに次々としかけが飛び出すボリュームのある本にして贈ると、大感激されること間違いなしです。
これまでの成長や日々の記録を綴った記念日のお祝いや、思い出を振り返るストーリー仕立てのプレゼントとしておすすめです。
製作には、基本形の切り貼りが主体ですが、飛び出すカードを本にするなら180度に開いた時にポップアップする構造をメインに取り入れましょう。
山折り部分に切り込みを入れた飛び出しは、90度に開いた時にカッコよく決まる仕組みなので、180度に開くとペチャンコになってしまいます。
そのため、ページの内側に別紙を貼り付けて、飛び出しの土台を作る方法が適しています。
レイアウトも、本の場合はページの中央にどっしりと存在感のあるポップアップや、中央上部に角度が大き目のVフォールドの貼り付けをして飛び出ししやすい仕掛けを多用しましょう。
しかけ絵本の第一人者ロバート・サブダ(Robert Sabuda)の公式サイトの「Make a Pop-up」を覗くと、動植物から家や船まで幅広く180度見開きのポップアップの作り方が紹介されていて、アイデアをつかめます。
各作品をクリックすると、作り方の説明が読めます。英語ですが、写真を使って丁寧に手順を解説しているので分かりやすいです。
他にも、キャノンのクリエイティブパークを始めとする多くのペーパークラフトサイトで、こんなものが飛び出して折りたためるの?!という180度見開きのポップアップの作り方が掲載されているので、飛び出すしかけ本作りのイメージを膨らませることができます。
特別な機会を彩る飛び出すカードの本は、永久保存版となり得る貴重なハンドメイド作品で、大きな驚きと喜びを与えるインパクトのある贈り物になります。
まとめ
飛び出すカードの良さは、作り方がシンプルで簡単であることが第一です。
しかも、簡単に作成できる割には強い印象を与えることができる点がボーナスポイントと言えます。
卒業を祝福したり、お誕生日祝いのケーキを題材とした飛び出すカードは、基本的なテクニックながらオリジナル感あふれる仕上がりで、一般的なカードにはない魅力が出せます。
少々手の込んだ、まるで書籍かと思わせる複数ページに渡る飛び出すカード作りも可能で、飛び出すカードの初歩の域を越えるクラフトに挑戦するのも醍醐味です。
どんな高価なプレゼントにも引けを取らない、愛情あふれる飛び出すカードは興奮と感激をもたらします。
カードを贈るなら、ありきたりなカードではなく、相手が思わず笑顔になること間違いなしの飛び出すカードを手作りしてみませんか?