1. 秋分の日とは?
秋分の日は、日本の国民の祝日の一つであり、祝日法により天文観測による秋分が起こる秋分日(太陽が秋分点を通過した瞬間、すなわち太陽黄経が180度となったとき)が選定され休日とされます。
日本の暦では、2044年まで9月23日、うるう年は9月22日になります。
1-1. 秋分の日の歴史
秋分の日は、1948年に公布・施行された国民の祝日に関する法律(「祝日法」、昭和23年法律第178号)によって制定されました。
同法第2条では「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
秋分の日は、昭和22年(1947年)までは「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」と呼ばれる祭日でした。
「皇霊祭」は年に2回、春と秋にあり、それぞれ「春季皇霊祭」と「秋季皇霊祭」といいます。
「皇霊祭」とは歴代の天皇、皇后、皇族を祭る儀式で古来より重要視されていました。
しかし、第二次世界大戦後にGHQ(連合国軍総司令部)が皇室と繋がりの深い祭日を排除するため、皇霊祭は廃止されました。
皇霊祭はもともとは国の行事として行われていましたが、現在は皇室の私事として行われています。
そして、秋季皇霊祭の代わりとして、昭和23年(1948年)に「先祖をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨として制定されたのが「秋分の日」という祝日です。
1-2. なぜ秋分の日が存在するのか
秋分の日の存在理由は、天文学的な背景と文化的な背景の2つに分けられます。
天文学の背景
太陽が秋分点を通過した瞬間、すなわち太陽黄経が180度となったとき(黄道十二宮では天秤宮の原点に相当)が天文学上の「秋分(しゅうぶん)」です。
いずれの日が秋分日になるかはその国・地域の時差によって1日の違いが出ることもあります。
この日は太陽が真東から昇り、真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ同じになります。
秋のお彼岸の中日にあたり、「秋分の日」を境に昼は短く、夜は長くなっていきます。
文化的な背景
古代の人々は、自然のリズムや季節の変化に非常に敏感でした。
春分や秋分は、農作物の収穫や種蒔きの目安としてとても大切な日でした。
また、秋分の日は、祖先の霊を慰める日としての側面も持っており、現代でも多くの人々が墓参りを行う習慣が残っています。
秋分の日は、天文学的な背景と文化的な背景を持つ、日本の伝統的な祝日です。
昼と夜長さがほぼ同じになるこの日は、自然のリズムを感じられる良い機会となります。
2. 秋分とは何か?
秋分とは、二十四節気の一つで、太陽の黄経が180度に達する日を指します。
2-1. 秋分の定義と意味
秋分の基本的な定義
秋分は、太陽が秋分点を通過する瞬間が天文学上の「秋分」であり、暦では「秋分」の瞬間が属する日を秋分日(しゅうぶんび)と呼びます。
この日は、太陽が真東から出て真西に入り、昼夜の長さがほぼ等しくなります。
秋分の文化的な意味
多くの文化や宗教において、秋分は特別な意味を持ちます。
日本においては、祖先を敬い感謝の気持ちを表すための「秋分の日」という国民の休日が設けられています。
古代からの伝統的な行事や風習が沢山存在しますし、この時期は収穫の喜びや、自然との共生を祝う意味合いが強いといえます。
2-2. 秋分の日と昼夜の長さ
秋分の日において、昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなると上述してきましたが、実際には日本付近では、年による差もあるが、平均すれば昼の方が約14分長い。
その理由は、「大気差」「太陽の視直径」「日周視差」「秋分のずれ」によります。
実際に昼夜の長さの差が最も小さくなる日は秋分の4日程度後になります。
3. 秋の行事と秋分の日
秋は日本の風物詩として多くの行事が行われる季節です。
特に「秋分の日」は、自然を感じることができる大切な日として、多くの伝統的な行事が行われています。
3-1. 秋分の日に行われる伝統的な行事
秋分の日は、日本の伝統と文化を深く感じられる日の一つです。
自然の移ろいを感じながら、家族や先祖とのつながりを再確認するこの日を、伝統的な行事とともに過ごすことは、日本人の認識を形成する重要な要素と言えます。
ご先祖さまのお墓参り
秋分の日は先祖を供養する「彼岸」として知られる期間の中心にあたります。
秋のお彼岸は、秋分の日と前後3日間を合わせた7日間のことを指し、初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸明け」、ちょうど間の秋分の日を彼岸の中日(お中日)と呼びます。
この時期、彼岸花が咲き、お墓参りをする家族が多いです。
墓地は彼岸花で彩られ、訪れる人々は先祖ですの霊を慰め、家族の絆を感じながら手を合わせます。
お彼岸は日本独特の風習で、その歴史は古く、平安時代から存在していたといわれています。
また、仏教の世界では、先祖のいる悟りの世界を彼岸、私たちが生きている世界を「此岸(しがん)」と言います。
お彼岸の行事食「おはぎ」
お彼岸には特定のお菓子が作られ、供えられます。
特に「おはぎ」は、彼岸の時期によく食べられる伝統的な和菓子です。
小豆の餡やきなこをまぶして作られます。
家族の絆を深める食事の時間、おはぎを楽しむことが日本の伝統として受け継がれています。
3-2. 日本の秋の風物詩との関連
日本の秋は、紅葉、新米、収穫祭などの風物詩で知られています。
これらの風物詩は、豊かな自然と四季の変化を大切にして日本文化に深く関わっています。
秋分の日はこの季節の中心的な存在として、これらの風物詩との関連が深いです。
秋分の日前後は、多くの地域で収穫祭が開催されます。
これは、豊穣を祝い、先祖への感謝を示す意味合いが強く、秋分の日の精神と一致しています。
また、歌や月見団子でおなじみの「お月見」やお墓参りに行く人も多い「お彼岸」など、9月には昔から大切にされてきたなじみ深い風物詩がたくさんあります。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、厳しかった残暑に目処がつく頃です。
彼岸には、3月の春彼岸と9月の秋彼岸があり、秋彼岸は秋分の日を中日とした前後3日、合わせて7日間をいいます。
4. まとめ: 秋分の日と日本の文化
秋分の日は、季節の変化と共に、人々が大切にしてきた行事や風物詩と密接な関係があります。
この時期、人々は自然や先祖を敬い、感謝する気持ちを持ちます。
今後もこの伝統を守り、次世代に伝えていくことが大切でしょう。