事故を起こした時、自動車保険を使うか使わないかの計算方法は?!

自動車保険 使う 使わない 計算

自動車に乗っていて、大きな事故を起こしてしまった場合の損害額は、数百万から数千万円、死亡時や後遺傷害時には億単位となります。

そのような高額賠償のために自動車保険に加入するのですが、ちょっとした少額の場合は検討が必要なんです。

何故なら、現在の自動車保険は、大事故は保険で、少額の損害は自腹で、というのが経済的なことが多いんです。

等級

まず、自動車保険(任意保険)には、「等級」があります。

この等級がポイントになります。

等級とは、ノンフリート等級別料率制度において、保険料の割増引率を定めるための区分になります。

ノンフリート等級別料率制度とは、ノンフリート契約における契約者間の「保険料負担の公平性」を確保するためのルールのことです。

ノンフリート契約

ノンフリート契約とは、契約者が所有・使用する自動車の総台数が9台以下のものです。

等級は無事故が続くことにより料率が下がっていく(1等級ずつ上がる)ため、ノンフリート契約は「無事故割引」とも呼ばれています。

保険会社によって「等級の数」「割引率」は異なります。

保険を使うか使わないかの判断基準は、向う3年間の計算が必要です。

なぜなら、等級は1年ごと1等級に増えますが、事故を起こして保険を使えば、多くの場合、一気に3等級ダウンするため、元の等級に戻るのに3年間かかるからです。(4年目に元の等級に戻る)

また、等級は「事故ナシ」「事故アリ」に分類されています。

これは、前年契約で事故がなかった契約者のリスクと前年契約で事故があった契約者のリスクを比較すると、前年契約で事故があった契約者のリスクの方が高い傾向にあり、同じ等級内で保険料負担の不公平が発生していたためです。

事故有と無事故の割増引率

前年契約を継続する場合の事故有と無事故の割増引率

(前年契約を継続する場合)

例えば、

3等級ダウン事故があった場合

事故無の15等級(保険料割引率51%)で3等級ダウン事故を起こし、自動車保険を使用すると、その翌年は事故有の12等級になり、保険料割引率は27%まで低下します。

その後に自動車保険を使用しなければ保険料割引率は、2年後に事故有の13等級で29%、3年後に事故有の14等級で31%となります。

そして、4年後にようやく事故無の15等級で51%となります。

事故を起こす前の事故無の保険料割引率に戻るまで4年かかるのです。

細かい条件など、保険会社ごとに違うので、保険会社の担当者に、「保険を使った場合」と、「保険を使わなかった場合の翌年以降の保険料」を試算してもらってください。

その上で、保険を使わないほうが得なのか、損なのかを判断することをおすすめします。

事故を起こすと保険料はいくら上がる?車種や等級、年齢で違う?!

事故 保険料 いくら上がる

前項でもお話しした通り、等級は1年ごと1等級に増えますが、保険を使えば一気に3等級ダウンするケースもあります。

3等級ダウンするケース

* 対人賠償保険

* 対物賠償保険

* 自損事故保険

* 車両保険

1等級ダウンするケース

* 火災、爆発、窓ガラス破損

* 盗難、落書き、いたずら

* 騒じょうに伴う暴動行為や破壊行為

* 台風、竜巻、洪水 高潮

* 飛来、落下物との衝突

ノーカウントになるケース

* 無保険車傷害保険

* 搭乗者傷害保険

* 人身傷害補償担保特約

* 弁護士費用特約

* ファミリーバイク特約

等級の他に加味される条件

「使用目的」

「ドライバーの年齢」

「ドライバーの範囲

(本人だけ、本人とその配偶者だけ、本人と家族だけ)」

「ドライバーの運転免許証の色」

「運転する地域」

「年間走行距離」

「車のタイプ(車種)」

などがあります。

3等級ダウン事故の保険料例

30代男性コンパクトカーの場合

3等級ダウン事故の保険料例

無事故のときと比較すると、5年間で27,960円も多くかかる!

これは某保険会社の1例ですが、例をあげるには、ケースが多すぎるのと、保険会社による違いもありますので、具体的な金額については、担当者に試算してもらってくださいね。

事故を起こして相手が車を修理しないとき、代車費用は支払うの?

事故 修理しない 代車

まず、代車費用を請求できる要件というのがあります。

それには、「保険会社の過去の判例」も参考にされます。

たとえば、他の交通手段がないかどうかを問われます。

通勤や事故での通院で、他の交通手段で10分ほどで到達するような距離では、代車の必要性が否定される場合もあるようです。

ひらたく言えば「タクシーを使ってくださいね」というような感じです。

レンタカーを代車とする場合は、事故で使えなくなった自動車のグレードと同等のものか、それ以下の車種であるかも問題になります。

その他、「期間」も加味されるようです。

代車費用については,保険会社はシビアで,見込みでの支払いはしません。

実際にかかった費用の実費弁償になります。

したがって,修理するか買い替えるかの検討の結果として、修理をしなかったのであれば,その間の代車費用は賠償義務があると考えられますね。

最初から修理するつもりもないのに、代車を借りて乗り回しているなら詐欺ですけどね。

保険を使わず、自分で払おうとする場合、相手ともめたら、弁護士に相談した方がいいでしょう。

保険を使う場合、保険会社が代車費用も支払うなら、自分で支払う場合も支払うことになりそうですね。