アメリカの夏休みはなぜ長い?日本とは違う考え方とは?!

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夏休み。

園児や小学生から大学生まで、1年のうちで最も長い学校の休暇も、楽しい毎日であっという間に過ぎて行きます。

日本では地域による程度の差はあれ、義務教育期間中の夏休みは25~45日程度が標準です。

春休みや冬休みと違って、長くて嬉しい日本の夏休みですが、海外の夏休み事情に目を向けると単純に喜べない、驚きの事実が分かります。

例えば、アメリカの夏休みは小学校から高校までの大半が6月の上旬には授業が終了し、8月下旬または9月から始まる新学期まで約3ヶ月もの間が夏の休暇となっています。

アメリカの夏休みは、日本の夏休みの倍以上の期間があり、子供たちはサマーキャンプに参加したり、家族と旅行に出かけたりと自由気ままな夏を満喫します。

さらに、日本の夏休みの常識から考えると信じ難いですが、アメリカの夏休みには基本的に一切の宿題がありません。

個人的に苦手科目のフォローアップをするという模範的な学生は、ほんの一握りで極めて例外と言えます。

それよりも、友達や家族と過ごす時間を大切にし、趣味やボランティア活動に打ち込んだり、心身共にリラックスする時間を持つことが最も重要なのです。

アメリカの学校に長い夏休みがある背景には、日本とは異なる教育システムを理解する必要があります。

春入学の日本とは対照的に、欧米では9月の入学と進級が一般的に定着しており、夏休みは言わば年度末の区切りです。

1年の学習を終え、次のグレードへ進級するタイミングであり、9月からは新しい学校に移ったり、担任や級友も一新されるため、宿題が出されることもない訳です。

とは言え、公立と私立といったそれぞれの学校による方針の違いや学年によっては、夏休みの間に読むことを推奨されるブックリストの提示があったりしますが、勉強に関する補習が行われることも、ほぼありません。

アメリカの学生は集中して学び、休む時は頭を空っぽにして存分にリフレッシュする切り替えが、上手い具合にできていると言えます。

アメリカの小学校の夏休み期間の3か月はサマーキャンプが多い!?

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日本の夏休みと比べると、長くて羨ましいアメリカの夏休みですが、宿題もなく出かける予定もなければ、手持ち無沙汰になりそうです。

とりわけ、小学生であれば両親が共働きである場合、自宅でも1人で留守番が許される年齢ではなく、きちんとした夏休みの計画が必要になります。

アメリカの小学生が、長い夏休みの間も充実した毎日を送るための救世主は、何と言ってもサマーキャンプです。

サマースクールとも呼ばれるサマーキャンプには、日帰りのデイキャンプと数週間宿泊施設で過ごす本格的なサマーキャンプの2種類があります。

どちらのサマーキャンプにも、子供たちを指導・引率するスタッフが存在し、様々なアクティビティが用意されています。

選べるアクティビティには、コンピューターのプログラミングやアート、演劇、料理、乗馬やカヌーなどのスポーツと実に多彩で、子供にとってはまさにパラダイス。

日本の塾の夏期講習のような勉強だけに励むサマースクールは、アメリカでは残念ながらほぼ皆無です。

教科書や本からでは学べないことを、実際に身をもって体験できるのが、サマーキャンプのアクティビティならではの魅力です。

デイキャンプでは、昼食には手作りのお弁当を持参しても構いませんし、ランチの提供を受けることもできるので忙しいお母さん達にとっても安心です。

親元を離れ、全米から集まった新しい友達たちと、様々な活動に挑戦できる長期サマーキャンプは、集団生活を通して人間的にもひと回り大きく成長できる絶好の機会で、アメリカでは子供の夏休みの過ごし方として高い支持を集めています。

家庭によっては、様々な特色のあるサマーキャンプを選り抜き、ひと夏の間に複数回子供を参加させるケースも目立ちます。

昔も今も絶大な人気を誇るサマーキャンプは、宿題のないアメリカの長い夏休みでも生活のリズムを保ちつつ実りある時が過ごせ、親にとっても子供にとってもなくてはならない拠り所と化しています。

アメリカの夏休みに部活はあるの?部活の仕組みが根本的に違う!?

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日本の小~高校生であれば、夏休みは部活の練習に熱の入る時期でもあります。

真っ黒に日焼けして朝から晩までスポーツに励み、大会や試合に出かけたりということもあるのではないでしょうか。

約3ヶ月も夏休みが続くアメリカでも、同様に部活の練習が盛んに行われているのではと想像しますが、現実は全く異なります。

夏休みは、休暇なので1年を通して取り組んできた学校の部活の練習も一旦終了し、全てお休みとなるのがアメリカンスタイルです。

夏の間には、オフィシャルな大会の予定も組まれません。

せっかく力を付けてきたのに、3ヶ月もトレーニングをしないなんて大丈夫なんだろうかという思いが頭をよぎりますが、一部のトップレベルのクラブチームを除けばアメリカ人にとっては「休み」と「練習」のメリハリが非常に大切なのです。

過度なトレーニングによる怪我やストレスを防ぐため、年間を通じて練習時間に制限が設けられているスポーツもあります。

そもそも、アメリカの部活は日本と比べて柔軟な体制になっています。

その典型が、ハイスクールの部活で、学期ごとに違ったスポーツチームに属して練習に励むことができ、1年を通して多ければ3種類の部活動が経験できます。

一度もプレイした事のないスポーツでも比較的簡単に体験でき、自分の得意分野を見極めることができる意味では、とても優れたシステムです。

もちろんアメリカの高校では、部活は強制ではありません。

全てに個人の選択が尊重されるため、学業との両立もしっかり求められます。

また、高校によっては部活が体育の授業の一環として成績に反映されるケースもあり、学期毎に完結する仕組みで夏休み中の活動はありません。

さらに実力主義で先輩や後輩といった序列の厳しさがないのが、日本の部活システムとは大きく異なる点です。

下級生はひたすら球拾いでベンチの控え選手という腑に落ちない扱いを受けることはなく、実力を磨いていけば誰にでも平等にチャンスが与えられます。

夏休み中は学校の部活はありませんが、希望すれば地域や大学のクラブチーム主催のスポーツキャンプへ参加して、スキルを高めることも可能です。

アメリカでは、子供のスポーツに対するやる気や興味に寄り添い、さらなる飛躍をサポートするという部活の在り方が根付いています。

まとめ

アメリカの学校の夏休みは、日本の夏休みの倍以上にあたる約3ヶ月という長さです。

長い夏休みが実現する理由の1つには、日本とは違うアメリカの教育システムが挙げられます。

アメリカでは9月の秋入学と進級制度が導入されており、6月の始めには年間のカリキュラムが終了し、学年末を迎えるサイクルです。

夏休みは、学年末の区切りとして捉えられ、3ヶ月もの長きに渡るリセット休暇としての意味合いを持ちます。

アメリカの小学生の夏休みの過ごし方で一番人気は、各種サマーキャンプへの参加です。

新しい友達との友情を深めながら、趣味やスポーツに没頭できる理想的な環境が整えられています。

部活動の練習が活発になる日本の学校の夏休みとは反対に、アメリカでは部活動も夏休みは一旦休暇となります。

アメリカの部活動は、興味に合わせて学期毎に選べる仕組みで、幅広く色々なスポーツを経験できます。

日本とアメリカの教育の仕組みにはそれぞれに良さがあり、メリットを存分に享受して充実した夏休みを過ごしたいものです。